うつ病の回復期に起きる「波」とは?良くなったり悪くなったりする理由と対処法|シモキタよあけ心療内科|下北沢のメンタルクリニック・心療内科・精神科

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うつ病の回復期に起きる「波」とは?良くなったり悪くなったりする理由と対処法

うつ病の回復期に起きる「波」とは?良くなったり悪くなったりする理由と対処法|シモキタよあけ心療内科|下北沢のメンタルクリニック・心療内科・精神科

2026年1月16日

うつ病の回復期に起きる「波」とは?良くなったり悪くなったりする理由と対処法

うつ病の治療を続けていると、「少し楽になったかも」と感じる日が訪れます。

しかし、その翌日には再び気分が沈んでしまう……。

この「波」は、回復期特有の自然な現象です。

多くの方が「また悪くなったのでは?」と不安を感じますが、実はこれは回復に向かっている証拠でもあります。うつ病の回復は直線的ではなく、良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ上向いていくものなのです。

この記事では、精神科専門医の視点から、うつ病の回復期に起きる「波」のメカニズムと、焦らず療養を続けるための具体的な対処法をわかりやすく解説します。

うつ病の回復期とは?治療の段階を理解する

うつ病の治療は、一般的に「急性期」「回復期」「再発予防期」の三段階に分けられます。

急性期は、うつ病の症状が最も重く現れる時期です。強い抑うつ気分、不安、極度の疲労感、食欲不振、不眠などが主な症状として見られます。この時期の治療の主な目的は、症状を迅速に軽減し、患者さんの生活の質を早急に改善することです。

回復期は、急性期の症状が落ち着き始めた後の段階で、症状が安定しうつ病が慢性化しないようにする重要な時期です。診断後4〜6カ月程度で訪れることが多く、心身の辛さが少しずつ軽減されていきます。この期間には、引き続き薬物療法を行いながら、心理療法や生活習慣の改善を通じて社会復帰を目指していきます。

再発予防期は、症状がほとんど見られなくなり、日常生活に適応できるようになる期間です。診断後7カ月以降が目安となり、心身の状態は安定していますが、油断はできません。この時期には、再発を防ぐための対策が中心となります。

回復期に入ったからといって安易に薬をやめると、再発の可能性が高まるので注意が必要です。元気になったと感じても、医師と相談しながら根気よく治療を続けていくことが重要になります。

回復期に起きる「波」の正体〜自然変動のメカニズム

回復期の最も特徴的な症状が、気分や体調の「波」です。

調子が良いと感じる日もあれば、翌日には何もやる気が出ないなど沈んでしまう日もあります。これは回復期によく見られる特徴で、決して後戻りしているわけではありません。

「波」が起きる理由

回復期の気分の波は「自然変動」と考えられています。つまり、特に理由がなくても落ち込んでしまうのです。

急性期には感じなかった焦りのような感情が起こり始め、「早く社会復帰しなければ」という思いが強くなることもあります。まだ完全な回復状態ではないのに、無理なトレーニングをし始めたり、予定をいっぱいにしたりしてしまう方もいます。

しかし、回復期に無理をしすぎると疲れが溜まってしまい、うつ病の治療を長引かせることにつながります。気分が落ち込むと体調が悪くなって、まるで急性期に戻ったかのように辛く感じることもあるでしょう。

回復をグラフで表すと

回復をグラフで表すと直線的ではなく、波を打ちながら少しずつ上向きに進んでいきます。寒い日と温かい日を繰り返しながら春が来るように、三寒四温のイメージで徐々に回復します。

気分が良い日が続くと、治ったと錯覚しがちですが、「もう大丈夫だ!」と自己判断で無理をしてしまうことがぶり返しの原因になることがあります。

そして、しばらくすると気分の落ち込みは回復し、また調子のよい状態に戻ります。つまり、回復期の気分の波は自然なことなので、焦らずに療養を続けることが大切です。

回復期に見られる8つの特徴的な症状

回復期には、様々な症状が現れることがあります。自分自身の状態をよく観察し、必要に応じて医師や専門家のサポートを受けることが重要です。

1. 夜しっかり寝ても1日中眠い

「夜しっかり寝ても1日中眠い」という状態を経験する方も多くいます。人によっては10時間以上寝ているにも関わらず、日中に眠くてたまらないという方もいます。

回復期は心身がエネルギーを回復しようとする過程であり、急性期に消耗したエネルギーが完全には回復していません。「眠くて眠くて仕方がない」という状態も、うつ病の回復期における特徴的なポイントです。

しかし、エネルギーの回復が進むにつれて徐々に1日中眠いという感覚は解消されていきます。眠いときは心と身体が回復する時期だと考えて、十分に睡眠をとりましょう。

2. すぐに疲れる

回復途中の体や心は、通常の活動でもすぐに疲れてしまうことがよくあります。これは、エネルギーレベルがまだ十分に戻っていないためです。

メンタルの回復に伴い、脳がクリアになって行動する意欲が湧いてくるかもしれません。しかし、精神面の回復に対して体力の回復が追いついていない場合が多く、身体を動かすとすぐに疲れてしまうのです。

疲れやすさを感じたときは、無理をせず小まめに休息をとりましょう。また、疲れやすさを感じることへの罪悪感を持たないようにすることも重要です。

3. やる気が出ない、行動できない

回復期には、やる気が出ず何事にも取り組む気力が湧かないことがよくあります。この状況では、自分を責めず、少しずつ活動を増やしていくことが大切です。

まずは簡単なタスクから始め、自分のペースで活動範囲を広げていくと良いでしょう。無理をせず、自分自身に優しく接し、やる気が徐々に戻ってくるのを待つことが重要です。

4. 気分の波が激しい

回復期には、感情の浮き沈みが激しくなることがあります。一時的に調子が良いこともあれば突然沈むこともあります。このような気分の変動は、心がまだ不安定な状態にあることを示しています。

自分の感情に振り回されず、どうしようもなくこころが辛いと感じた時は医師に相談するようにしましょう。

5. 焦りを感じる、そわそわする

回復期に入ると、急性期には感じなかった焦りのような感情が起こり始めます。心身ともに元気だと感じやすいので「早く社会復帰しなければ」という思いが強くなるかもしれません。

しかし、回復期に無理をしすぎると疲れが溜まってしまい、うつ病の治療を長引かせることにつながります。焦りの気持ちが出てきても落ち着いて、医師と相談しながら落ち着いて療養を続けることが大切です。

6. 興味や意欲が完全には戻らない

趣味や好きなことに対しても、「やってみようかな」とは思うものの、実際にやってみると「そこまで楽しくないな……」と感じたり、すぐに飽きてしまったりすることがあります。以前楽しめたことでも楽しめないことがあります。

以前は簡単にできたことでも、始めるまでに時間がかかったり、億劫に感じたりすることがあります。うつ病をわずらう以前のように好奇心がわいたり、快活な行動ができたりするまでには、いたっていない場合が多いです。

7. 眠りの質がまだ不安定

睡眠の質はまだ不安定で、だいぶ回復したとはいえ、まだ良質な睡眠とまではいかないことがあります。急性期のようなひどい不眠は減るかもしれませんが、まだ寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めてしまったり、朝早く目が覚めてしまうなど、睡眠のリズムや質が完全には安定しない場合が多いです。

精神的にもまだ不安定なことが関与しています。まだあまりよく眠れていないため、「昼間とにかく眠い」という場合もあります。

8. 感情のコントロールが不安定

感情のコントロールがまだ不安定です。感情の揺れ幅がまだ大きい状態にあります。ちょっとしたことでイライラしたり、落ち込んだり、将来に対して漠然とした不安を感じたりすることがあります。

再発への不安や、社会復帰への焦りが影響していることもあります。「またあの辛い状態に戻ってしまうのではないか」という不安を抱えることも少なくありません。

回復期を乗り切るための具体的な対処法

回復期の「波」を理解し、適切に対処することで、焦らず療養を続けることができます。

1. 「波」は自然なものと受け入れる

まず大切なのは、気分の波は回復期の自然な現象であると理解することです。

調子が悪くなったからといって、「また悪化した」と考える必要はありません。波のように気分が落ち込む瞬間が訪れても、しばらくすると気分の落ち込みは回復し、また調子のよい状態に戻ります。

2. 無理をしない、焦らない

回復期に無理をしすぎると疲れが溜まってしまい、うつ病の治療を長引かせることにつながります。

「早く社会復帰しなければ」という焦りの気持ちが出てきても落ち着いて、医師と相談しながら療養を続けることが大切です。まずは簡単なタスクから始め、自分のペースで活動範囲を広げていくと良いでしょう。

3. 十分な休息と睡眠をとる

回復期は心身がエネルギーを回復しようとする過程です。眠いときは心と身体が回復する時期だと考えて、十分に睡眠をとりましょう。

疲れやすさを感じたときは、無理をせず小まめに休息をとることが重要です。また、疲れやすさを感じることへの罪悪感を持たないようにすることも大切です。

4. 規則正しい生活を心がける

一般に精神的ストレスや睡眠不足、疲労は症状を悪化させます。規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

睡眠のリズムを整えることで、徐々に睡眠の質も改善していきます。起床時間と就寝時間をできるだけ一定に保つことが大切です。

5. 医師と相談しながら治療を継続する

回復期だからといって安易に薬をやめると、再発の可能性が高まるので注意が必要です。

元気になったと感じても、医師と相談しながら根気よく治療を続けていくことが重要になります。定期的な診察を心掛け、治療計画の見直しや修正が必要になることもあります。

6. 自分を責めない

やる気が出ない、行動できないという状況では、自分を責めず、少しずつ活動を増やしていくことが大切です。

無理をせず、自分自身に優しく接し、やる気が徐々に戻ってくるのを待つことが重要です。回復期には、自分の感情に振り回されず、どうしようもなくこころが辛いと感じた時は医師に相談するようにしましょう。

7. 段階的な社会復帰を目指す

社会復帰は無理せず段階的に進めていく必要があります。

回復期には、引き続き薬物療法を行いながら、心理療法や生活習慣の改善を通じて社会復帰を目指していきます。まだ完全な回復状態ではないのに、無理なトレーニングをし始めたり、予定をいっぱいにしたりしないよう注意しましょう。

専門医によるサポートの重要性

うつ病の回復期は、一見すると健康な状態に近づいているように思えるかもしれませんが、まだ完全に回復しているわけではありません。

自分自身の状態をよく観察し、必要に応じて医師や専門家のサポートを受けることが重要です。

精神科専門医による診療

精神科専門医による質の高い医療を受けることで、回復のスピードが早まります。

各段階ごとに異なる治療が必要であり、適切な治療を受けることで回復のスピードが早まります。定期的な診察を心掛け、治療計画の見直しや修正が必要になることもあります。

カウンセリングの活用

薬物療法だけでなく、心理療法や生活習慣の改善を通じて社会復帰を目指していくことが大切です。

経験豊富な心理士によるカウンセリングを活用することで、薬物療法だけに頼らない治療を行うことができます。認知行動療法やサポートグループの参加が推奨されることもあります。

診断書・傷病手当等のサポート

病状に応じ、お勤めの会社に提出する診断書・傷病手当等の書類作成が可能です。休職中は復職に向けた療養アドバイスを受けることができます。

復職に向けた療養アドバイスを行い、段階的な社会復帰をサポートしてもらえる環境が整っていることが重要です。

まとめ〜焦らず、自分のペースで回復を

うつ病の回復期に起きる「波」は、決して後戻りではなく、回復に向かっている自然な過程です。

調子が良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ上向いていく……それが回復期の特徴なのです。

気分の波は自然変動と考えられ、特に理由がなくても落ち込んでしまうことがあります。しかし、しばらくすると気分の落ち込みは回復し、また調子のよい状態に戻ります。焦らずに療養を続けることが大切です。

回復期には、十分な休息と睡眠をとり、無理をせず、自分のペースで活動範囲を広げていくことが重要です。そして、医師と相談しながら根気よく治療を続けていくことが、再発を防ぎ、完全な回復につながります。

もし、現在「集中力がない」「気分が落ち込む」といった症状でお悩みなら、一人で悩まず、ぜひ専門医に相談してください。適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。

下北沢駅から徒歩1分の好アクセス、精神科専門医による質の高い医療を提供するシモキタよあけ心療内科では、うつ病の回復期をサポートする診療を行っています。完全予約制でウェブ・アプリから24時間予約可能、診断書は当日作成可能です。お困りの際は、私たちと一緒に心の健康を取り戻す一歩を踏み出しましょう。詳細はこちらから→シモキタよあけ心療内科

著者プロフィール 

シモキタよあけ心療内科 院長 副島正紀」

〜こころに、よあけを〜

【資格・所属学会】

認知症診療医

日本精神神経学会 精神科専門医

日本精神神経学会 精神科指導医

精神保健指定医

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