不安障害
不安障害
不安障害は名前の通り、不安が主な症状の病気です。
こまかく分類すると、「全般性不安障害(長い間、生活上の不安が続く)」「社交不安障害(人前が怖い)」「パニック障害(突然の不安発作)」「強迫性障害(不潔が怖い、確認しすぎる)」など、幅広い病気です。以下に病気の説明をいたします。
持続的で過剰な不安や心配、身体症状が現れます。一般的に、以下のような症状が見られます。
日常生活のささいな出来事に対しても、強い不安や心配を抱きます。全般性不安障害は、学業や仕事など、周りから見たら「どうしてそんなに不安なの?」と思われるほど心配が続いてしまう病気です。障害の有病率は4~9%と頻度は比較的多い病気です。
息切れ、動悸(どうき)、発汗、手の震え、吐き気、過呼吸、頭痛などの自律神経症状が出現します。初めに内科に受診しても原因が見つからず、メンタルクリニックを勧められることも多いです。パニック発作がみられると、発作的に症状がみられ、「死んでしまうのではないか」と恐怖感に支配されることがあります。
不安を感じる状況を避けるようになります。電車に乗ると気持ち悪くなるので避けたり、人前で話すのが怖いので引きこもったりする、なども代表的です。これにより、日常生活に支障が出てしまい悩まれる方が多いです。
社交不安障害は人前で話すのが怖く、目立つ仕事を避けたり、家で引きこもったりすることがあります。就職した先で何か発表しなくてはいけなかったり、いままでうまく避けてきたけど仕事でプレゼンが必要になったりするなどで問題となることがあります。具体的な不安の場面がはっきり決まっているのは限局性恐怖症とも分類されます。
また、強迫的な思い込みを強迫観念というのですが、その考えに支配されて日常行動が変化してしまうことを強迫性障害と呼びます。汚れが必要以上に気になってしまったり、鍵をかけたか不安でなんども戸締りのために時間を費やしてしまったりしまうことがあります。強迫性障害も不安障害の一種と分類されています。
不安障害の治療には、薬物療法と心理療法が一般的に用いられます。
不安障害の治療には、抗不安薬や抗うつ薬が使われます。抗不安薬は即効性があり、内服当日から効果を感じることができます。抗うつ薬は徐々に治していくようなイメージで、最終的には抗うつ薬のみで調整することが望ましいです。抗不安薬は眠気や耐性、抗うつ薬は吐き気などの副作用がでる可能性があり、個人に合わせて調整する必要があります。
認知行動療法(CBT)は、不安の原因やそれに対する反応を理解し、対処法を学ぶことで症状の改善を目指す治療です。当院では心理士が担当します。また、リラクゼーション技法やマインドフルネスなど、自分で行う技法もあります。
主にベンゾジアゼピン系抗不安薬、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用します。
以下は不安障害と似た病気です。症状が重なることも多いです。
「このまま死んでしまうのでは」と突然の強い恐怖、パニック発作に襲われることがあります。
会社の発表や、人前で話すことが苦手であり、不安や苦痛を感じる障害です。
ドアノブを触れない(不潔恐怖)、鍵を閉めたか・火の元を消したか確認しないと気がすまない(確認強迫)など、生活に苦痛を感じます。
不安障害は外来でもよくみられる病気です。診断はそれほど難しくありませんが、薬物療法に関しては専門性が問われ、精神科・心療内科での治療が望ましいです。お悩みの方は気軽にご相談ください。
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