2024年10月15日
精神科の入院には種類がある
精神科の入院のイメージはどうでしょうか、ドラマとかでは頭がおかしくなっちゃって強制的に緊急入院したり薬を飲みすぎて意識がないまま入院したり、とかありますよね。 ですが、実際の現場ではそれがすべてではなく、あらかじめ休息目的で入院するような、ストレスケアの病棟などもあります。
自分の意志で入院することを任意入院、本人の意思にかかわらない強制入院のことを医療保護入院・措置入院など分けられますが、 今回はその基本となる、外来通院ではなく入院したほいうがいいい判断基準をお話したいと思います。
食事・睡眠状況
食事、睡眠など最低限の生活ができない 人間が生きるためには食事、睡眠が欠かせないですね。ただ、うつ症状がひどく食事をとれなくなってしまったり、ひどい不眠症で体力が回復できず寝たきりのようになってしまうと、日に日に衰弱してしまいます。
そのような状況だと通院すら難しくなってしまい、気づいたら命の危機にさらされている状況にもなってしまいかねないんですね。 そのため、入院を決めるタイミングの一つに、食事、睡眠を基準にしています。特に都会で多い一人暮らしとかだと、周りにサポートしてくれる家族がいなかったりするケースも多く、放置されてしまうと命の危険がでてきます。このような状況を主治医が認識していると、入院を提案するかもしれません。
自分を制御できるか
自分を制御できない たとえば、コミュニケーションの場でイライラしていても相手をいきなり殴ったりはしませんよね。これは自分で自分を制御できているからなんです。
精神疾患のなかには、精神運動興奮状態といって、自分の興奮を制御できない状態をさす言葉があります。このように自分の興奮をおさえられないと、社会生活を送ることが非常に難しくなるので、入院適応になります。このようなときは最悪のケース警察に保護されたりとか、おおごとになって強制入院になることもあります。
制御できないというケースは病気によって様々です。 うつ病だと、死にたい気持ちが強く制御できなかったり、統合失調症だとしたら、幻覚や妄想によって錯乱し、制御できないこともあります。 認知症でも、自分の行動を抑えられなくなってしまう状況に陥ることもあり、それらも入院適応になることがあります。
刺激を遮断する必要性
刺激を遮断した方がいいとき これは少し特殊かもしれませんが、日常生活の刺激を一時的に遮断した方がいい方が入院することがあります。
わかりやすい例だと、炎上した政治家が入院した、というニュースをみたことあると思います。 あれはかなり特殊ですが、日々生活をしていると仕事のことや、人間関係のことや、さまざまな刺激にふれないといけません。
自宅療養することである程度刺激を避けることができますが、家の中の風景や、最寄りの駅などをみて、自分が立ち止まっているように感じるというか、自分を責めるような感情になる方もいるんですね。そういう状況を一旦すべてかえるために、入院という形に強制的に切り替えて、日々の刺激を遮断することがあります。
ストレスケア病棟とか、そういうサービスをメインにしている病院もあるぐらいなので、一定の需要はあると思います。 以上3つの入院判断の基準をお伝えしました。 動画をみている方の中で、入院について調べている方のご参考になればいいなと思います。
これらの内容は当院のYoutubeをまとめたものになります。
ご興味がございましたら、動画でもご覧ください。
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【院長 副島正紀】 精神科専門医 精神科指導医 精神保健指定医 認知症診療医 –X