不安障害 (強迫やパニック、社交不安など)|シモキタよあけ心療内科|下北沢のメンタルクリニック・心療内科・精神科

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不安障害 (強迫やパニック、社交不安など)

不安障害 (強迫やパニック、社交不安など)|シモキタよあけ心療内科|下北沢のメンタルクリニック・心療内科・精神科

2024年10月15日

今回は不安障害についてお話します。 この動画をみると、不安障害の症状や治療法が分かりますので、 是非最後まで観てください。

不安障害は名前の通り、不安が主な症状の病気です。 こまかく分類すると、 「全般性不安障害(長い間、生活上の不安が続く)」 「社交不安障害(人前が怖い)」 「パニック障害(突然の不安発作)」 「強迫性障害(不潔が怖い、確認しすぎる)」など、幅広い病気です。 今回は病気ごとに細かく説明するというよりも、ある程度全体像を説明できればと思います。

主な症状

主な症状として、持続的で過剰な不安や心配、身体症状が現れます。 日常生活のささいな出来事に対しても、強い不安や心配を抱きます。周りからみると、どうしてそんなに不安なの?というような状況です。全般性不安障害という病気は、学業や仕事など日常的な不安が漠然と持続するような病気で、障害の有病率が4~9%と結構多い病気です。

次に身体症状として、息切れ、動悸(どうき)、発汗、手の震え、吐き気、頭痛などみられます。初めに内科に受診してもベ原因が見つからず、メンタルクリニックを勧められる事も多いです。パニック障害では、発作的にこのような自律神経の症状が 出て、死んでしまうのではないか、と恐怖感にしはいされることがあります。

次に回避行動です。患者さんは不安を感じる状況を避けるようになります。電車に乗ると気持ち悪くなるので避けたりすることはよく聞かれます。また社交不安障害は人前で話すのが怖く、目立つ仕事を避けたり、家で引きこもったりすることがあります。 就職した先で何か発表しなくてはいけなかったり、いままでうまく避けてきたけど仕事でプレゼンが必要になったりするなどで問題となることがあります。具体的な不安の場面がはっきり決まっているのは限局性恐怖症とも分類されます。

また、強迫的な思い込みを強迫観念というのですが、その考えに支配されて日常行動が変化してしまうことを強迫性障害と呼びます。汚れが必要以上に気になってしまったり、鍵をかけたか不安でなんども戸締りのために時間を費やしてしまったりしまう ことがあります。強迫性障害も不安障害の一種と分類されています。

治療

次に治療についてです。不安障害の治療には、薬物療法と心理療法が一般的に用いられます。

薬物療法では、抗不安薬、抗うつ薬が使われます。

ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は即効性があり、内服当日から効果を感じることができます。具体的にはリーゼなどの短時間作用型のものや、ワイパックスなど中時間作用型のものを症状に合わせて処方します。 ただし、長期的に使用することで耐性ができたり、依存してしまうことがありますので、医師は漫然と処方を続けるのではなく、様子を見ながら減量、中止する必要があります。 さらに、抗うつ薬であるSSRIも使用します。

抗うつ薬は徐々に治していくようなイメージで、最終的には抗うつ薬のみで調整することが望ましいです。具体的にはフルボキサミンやパロキセチンなどを副作用である吐き気などを見ながら調整していきます。 心理療法では 認知行動療法(CBT)は、不安の原因やそれに対する反応を理解し、対処法を学ぶことで症状の改善を目指す治療です。薬物療法を行わずに認知行動療法というのはあまり推奨はされません。 というのも、不安障害は慢性かつ再発も多く、治療期間はある程度かかります。ですので、つらい期間を減らす意味でも、一定期間は薬物療法を行うことを推奨はします。

治療経験

最後に私の経験を一つ紹介します。

とある30代の女性がいたんですが、結婚し新生活をはじめたところ、急にいろいろなことをつらく感じ、うつっぽくなったんですね。 面接のなかで色々聞いていくと、家事や夫との同居など楽しいとおもっていたことが徐々に負担に感じるようになっていたようでした。 それでもなんとか仕事に行っていたんですが、あるとき電車にのったら過呼吸になってしまったんですね。

それから同じような発作がおきるのではないかと電車に乗ることへの恐怖感がでるようになりました。 相談の上、抗うつ薬のSSRIと抗不安薬の頓服を開始すると、2,3か月でほぼ寛解とよべるところろまで改善し、一人で数駅先程度なら電車に乗れるようになりました。 そこまでは良かったんですが、その時点でお子さんを身ごもっていることが分かったんです。 向精神薬は妊婦さんがのむにはリスクが高い薬もあり、私が処方していた薬は明らかなリスクではないけども、胎児の発育に可能性が出る可能性が0ではない薬だったんですね。 ご本人の希望から薬をすべて辞めたんですが、その数週間後にパニック発作が起こり、駅のホームで倒れてしまいました。

その後仕事を休職し、できるだけストレスがない生活にすることで発作も減り無事出産したんですが、やはり薬中断による不安定さはめだっていました。 その後、授乳は母乳で行わず、内服を再開したんですね。もとの薬を開始すると、やはり症状は改善し、その後1年かけて再び減量、最終的には漢方のみで再発なくすごされました。 この症例は、不安障害には薬物療法が一定効果的であることを示した一例といえると思います。 もちろん内服治療をするかどうかは患者さんの意思ですが、専門家として正しい医療情報はお伝えすることが大事だと考えています。

これらの内容は当院のYoutubeをまとめたものになります。

ご興味がございましたら、動画でもご覧ください。

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【院長 副島正紀】 精神科専門医 精神科指導医 精神保健指定医 認知症診療医 –X

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