パーソナリティ障害|シモキタよあけ心療内科|下北沢のメンタルクリニック・心療内科・精神科
パーソナリティ障害(⼈格障害)は、考え⽅や⾏動パターンにかたよりがあり、⼈間関係や社会⽣活にトラブルをおこしてしまう病気です。極端な性格というイメージで、本⼈や⽣活が問題なければ病名を付ける必要はありません。「どうして⾃分は昔から周りと上⼿くいかないんだ」と悩み、診断を受けることが多いです。
以下に、パーソナリティ障害の主な症状、診断、治療、似たような疾患について説明します。
パーソナリティ障害の主な症状
パーソナリティ障害は多くの分類がありますが、以下のような症状が多くみられます。
- ⾃⼰認識の歪み:物事の受け⽌め⽅がかたよっていて、必要以上に被害的だったりします。
- 感情の不安定:感情の波が激しく、急にイライラしたり、無性に寂しくなったりします。
- 対⼈関係の困難:友達や恋⼈、家族と上⼿くいかず、絶縁したりすぐ別れてしまったりします。
- 衝動的⾏動:計画性がなく、突発的です。薬物乱⽤、過料服薬(OD)、リスカなどの⾃傷⾏為がみられることがあります。
- ⾃⼰価値感の低さ:⾃⼰評価が低く、⾃信がない⼈が多いです。
パーソナリティ障害は、以下のような分類が代表的です。
- 回避性パーソナリティ障害
⼈との関わりを避けがちで、仕事は重要なポストは嫌います。
- 強迫性パーソナリティ障害
完璧主義で、融通がきかず、⽣活に⽀障をきたします。
- 依存性パーソナリティ障害
⼀⼈では物事を決められず、⼈が助けてくれないと不安で仕⽅ない⽅です。
- 境界性パーソナリティ障害
寂しさ・むなしさが強く、⾃分や相⼿を必要以上に傷つけ、⼈間関係が不安定になります。
- 演技性パーソナリティ障害
他⼈からの注⽬を得たい気持ちが強く、芝居がかった態度を取りやすいです。
- 反社会性パーソナリティ障害
⼈を傷つけることに罪の意識がなく、無責任な⾏動をとります。
- ⾃⼰愛性パーソナリティ障害
「⾃分は選ばれた⼈間だ」と思い込み、⼤げさにアピールする傾向があります。
- 妄想性パーソナリティ障害
「何か裏があるんじゃないか」という思い込みが強く、⼈を信頼できない傾向があります。
- スキゾイドパーソナリティ障害
他者との交流に興味がなく、⼀⼈の趣味に没頭します。
- 統合失調型パーソナリティ障害
出来事の受け⽌め⽅が変わっていて、テレパシーや迷信などを信じる⽅がおおいです。
パーソナリティ障害の治療
パーソナリティ障害の治療は、患者様が⾃⾝のパターンを理解し、より適応的な⾏動を学ぶことを⽬的とします。主な治療⽅法は以下の通りです。
⼼理療法(カウンセリング)
まず、ご本⼈が「治療したい」と思うことが必要です。⾃分の性格傾向と向き合うことはとても難しく、⾃分を否定されたように感じてしまうことが多いです。そのため、まずはカウンセラーとの信頼関係をつくります。弁証法的⾏動療法、認知⾏動療法、対⼈関係療法などが適応になります。
薬物療法
うつ症状、不安、不眠などあらゆる⼆次障害がみられます。対症療法として、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗精神病薬、気分安定薬など様々な薬を使⽤することがあります。
パーソナリティ障害 薬物療法の具体例
薬物療法はあくまで対症療法ですが、⽇々の⽣活のサポートとなります。
- 抗うつ薬 セルトラリン(ジェイゾロフト):意欲の低下、うつなどに効果があります。
- 抗不安薬 クロチアゼパム(リーゼ):不安や緊張の軽減に役⽴ちます。ただし、ODのリスクなどもあり、処⽅は慎重に⾏います。
- 気分安定薬 バルプロ酸ナトリウム(デパケン):気分の波や、イライラに使⽤します。
- 抗精神病薬 リスペリドン(リスパダール):感情が爆発的、衝動的で、⾃分で抑えられないケースに使⽤します。
パーソナリティ障害に似たような疾患
パーソナリティ障害と似た症状を呈する疾患には以下のものがあります。
躁うつ病
躁うつ病の気分の波は最低でも数週間続き、その⽇によって上下することはありません。
発達障害
発達障害も⼈間関係が苦⼿なことが多いですが、性格ではなく能⼒の問題です。
うつ病
はじめはうつ病と診断されますが、細かく話を聞くうちにパーソナリティ障害の問題が原因と分かることがあります。
まとめ
- パーソナリティ障害は、極端な性格により⽣活に⽀障がある病気です
- ⼈間関係が不安定になる⽅が多いです
- カウンセリングが有効です
パーソナリティ障害は、⼼の奥底に寂しさを抱えている⽅が多いです。⼈間関係のトラブルも多く、「どうしてこんなに上⼿くいかないんだろう」など⽣きる⾟さを感じている⽅は、⼀度ご相談ください。